🟧 膝が内に入る子どもは要注意?~将来の股関節のリスクと今できるセルフケア~

ケガ予防と回復

はじめに

しゃがんだりする時に膝がどこを向いているか皆さんは気にしていますか?まっすぐに膝が曲がっているように思えても、確認してみると内側に膝が曲がっていたり、外側に曲がっていたりしています。この記事では、膝の位置が体に与える影響を分かりやすく、解説していきます。

✅ 1. 膝が内に入ってしまう子どもが増えている?

最近、走るときやジャンプをしたときに、膝が内側に入っている子どもをよく見かけませんか?
これはいわゆる「ニーイン」という動きで、特にスポーツをする子や女の子に多く見られる傾向があります。

膝が内に入ると…
• フォームが不安定になる
• 走る・跳ぶパフォーマンスが落ちる
• 将来の股関節や膝のトラブルのリスクが高まる

そのまま放っておくのはとても危険です。

✅ 2. 女の子に多いのはなぜ?その3つの理由

🟡① 骨格の違い(Q角・骨盤幅)

女の子は成長にともない、骨盤が横に広がりやすく、
太ももの骨(大腿骨)が内側に向きやすくなります。
この傾き(Q角)が大きくなることで、膝が内に入りやすいのです。

🟡② 筋力不足(特にお尻と体幹)

股関節を外に支える中臀筋や、姿勢を支える体幹の筋肉が弱いと、
片足で立った時や着地の瞬間に膝が内に入りやすくなります。

🟡③ 習慣と姿勢のクセ
• 女の子に多い内股座り(W座り)
• 長時間のスマホ・ゲームによる猫背・骨盤後傾
こうした生活習慣も、股関節の内旋ぐせ=ニーインの原因になります。

⚠️ 3. 放っておくとどうなる?変形性股関節症のリスク

実は女の子に多い「臼蓋形成不全」という先天的な股関節の異常があります。
これは股関節の受け皿(臼蓋)が浅く、大腿骨が安定しにくい状態です。

この状態で成長し、大人になると…
• 股関節に負担が集中しやすくなる
• 少しずつ軟骨がすり減る
20代〜40代で変形性股関節症を発症するリスクが高まる

しかも、これは一度進行すると元には戻りません。
人工関節手術を必要とする人もいます。

だからこそ、今のうちに気づき、整えることがとても大切なのです。

✅ 4. 今からできる!膝を守るセルフケアとトレーニング

以下のような運動を日常に取り入れることで、股関節の安定性を高め、ニーインを改善していくことができます。

🟢 中臀筋トレーニング(貝殻トレ)

  1. 横向きに寝る
  2. 膝を曲げて両足をそろえる
  3. かかとはつけたまま、膝をパカッと開く

→ お尻の横(中臀筋)に効いていればOK!

🟢 タオルギャザー(足アーチ強化)

  1. 床にタオルを敷く
  2. 足の指でタオルをたぐり寄せるようにする
  3. 両足それぞれ5回以上

→ 足裏の筋力とバランス感覚を育てます

🟢 片足立ち or バランス遊び
• 鏡の前で「片足立ち→膝が内に入ってないか」チェック
• バランスボードやケンケン遊びもおすすめ!

✅ 5. 姿勢・座り方・生活習慣を見直そう


• W座り(ぺたんこ座り)はなるべく避ける
• 足を組む、猫背での長時間スマホもNG
• 椅子に座るときは「両足を床につけて、骨盤を立てる」が基本

日々の生活から正しい姿勢と動作を覚えることが予防の第一歩です。

✅ 6. まとめ|未来の健康は“今の気づき”から

膝が内に入るクセは、単なるフォームの問題ではなく、
将来の健康に関わる重要なサインです。

特に女の子は、
• 骨盤の形
• 股関節の構造
• 姿勢や筋力の弱さ
が重なりやすく、リスクが高くなります。

でも逆にいえば、
今から正しく動く力を身につければ、ケガも痛みも予防できる!

お子さんがケガの予防や、股関節の変形のためにも、
まずは「膝の向き」を確認し、セルフケアを行っていきましょう!!

のびのび

陸上競技の指導に21年携わる現役指導者。理学療法士。選手時代短距離で東海大会出場。怪我に悩む子ども達を支えたい思いから、身体の仕組みを深く学び続けています。「運動の楽しさ」と「自分の可能性」に気づいてもらいたい・・・そんな願いを込めて、保護者と子どもたち双方に役立つ運動・発達情報を発信中です。

のびのびをフォローする
ケガ予防と回復
シェアする
のびのびをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました