赤筋・白筋ってなに?子どもにもわかる“筋肉タイプ”の違いとトレーニング

発育・発達と身体のしくみ

■はじめに:2つの筋肉の種類を知ってますか?

子どもたちの運動を見ていると、「この子はスタミナがあるな」「あの子はダッシュが速いな」と感じることはありませんか?
実はその違い、筋肉の“タイプ”によって得意・不得意があることが関係しているかもしれません。

筋肉には「赤筋(せっきん)」と「白筋(はっきん)」という2つのタイプがあり、それぞれ得意な動きが違います。
本記事では、子どもにもわかりやすい言葉で「筋肉タイプの違い」と「その活かし方」について解説していきます。

■赤筋と白筋ってなに?

私たちの体には「骨格筋」という筋肉があり、大きく分けて2種類あります。

筋肉の種類    特徴           別名         例えるなら…
赤筋(せっきん) 持久力がある/疲れにくい 遅筋/タイプⅠ繊維  マラソン選手

白筋(はっきん) 瞬発力がある/すぐ疲れる 速筋/タイプⅡ繊維   短距離選手

赤筋は酸素を使ってエネルギーを生み出すため、長く運動するのが得意です。
一方、白筋は無酸素で爆発的な力を出すため、短距離やジャンプ系に向いています。

■生まれつきの筋肉タイプってあるの?

実は赤筋・白筋の割合は“ある程度”生まれつきで決まっています
• もともと持久型が得意な子
• 逆に瞬発系が得意な子

これは筋肉に含まれる「線維のタイプ」が影響しています。
ただし、すべてが遺伝で決まっているわけではありません。

成長の過程で、運動経験やトレーニング内容によって、筋肉の“性質”はある程度変化するんです。

■自分の筋肉タイプを見抜くヒント

医療機関で「筋生検」という検査をしない限り、正確な筋線維の割合はわかりません。
でも、普段の運動の中で、次のような傾向から“なんとなく”見えてきます。

テストや様子       赤筋が多そうな子      白筋が多そうな子
1500m走         安定したペースで走れる   前半速くて後半バテる
縄跳びなどの持久運動   淡々と続けられる      飽きやすく動きにムラがある
反復ジャンプ       跳び続けられる       最初は高く跳ぶけど後半落ちる

もちろんあくまで目安ですが、「この子は持久型っぽいな」「この子は瞬発力があるな」と感じるのも、大切な観察ポイントです。

■筋肉タイプに合ったトレーニングってあるの?

子どもの筋肉は柔軟で、トレーニングによって中間型(タイプIIa)の筋繊維は持久寄りにも瞬発寄りにも育ちます。

🔴持久力を伸ばしたいなら…
• ペース走やリズム系トレーニング
• インターバル走(走って休んでを繰り返す)
• ジョギング、縄跳びなど「一定のリズムで長く続ける」動き

🔵瞬発力を伸ばしたいなら…
• 短距離ダッシュ
• ジャンプ系トレーニング(垂直跳び、連続ジャンプ)
• スプリントドリル(バウンディング、スキップ)

ただし、小学生の段階では「どちらかに偏らず、いろんな動きを経験させる」のが大切です。特定のタイプに合わせすぎず、バランスよく伸ばしてあげましょう。

■筋肉は“鍛える”だけじゃなく“育てる”もの

トレーニングとあわせて、食事・睡眠・休養もとても大切です。
とくに子どもは「筋肉が育つ最中」にあるため、無理なトレーニングや偏った生活は逆効果になることも。

✅ よく食べて、よく寝て、よく動く
これが筋肉を育てる最高の方法です!

現代人はどれも不十分であることが多いので、「自分にはどれが足りないか?」確認しましょう。

■まとめ


• 筋肉には「赤筋(持久型)」と「白筋(瞬発型)」がある
• 生まれつきの傾向はあるけれど、トレーニングで変化も可能
• 子どものうちは「どちらも経験させる」ことが大切
• 観察と声かけで、その子の“得意”を引き出しましょう!!

のびのび

陸上競技の指導に21年携わる現役指導者。理学療法士。選手時代短距離で東海大会出場。怪我に悩む子ども達を支えたい思いから、身体の仕組みを深く学び続けています。「運動の楽しさ」と「自分の可能性」に気づいてもらいたい・・・そんな願いを込めて、保護者と子どもたち双方に役立つ運動・発達情報を発信中です。

のびのびをフォローする
発育・発達と身体のしくみ
シェアする
のびのびをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました