「“天才”は伸び悩む? 早咲き・遅咲きの違いから考える子どものスポーツ発育」

保護者・指導者へのメッセージ

■ はじめに

小学生の全国大会で優勝した「天才キッズ」が、高校になると突然勝てなくなる…。
逆に、小中学生で目立たなかった子が、高校・大学で全国トップに!
そんな「早咲き・遅咲き」の違いは、実は成長タイミング=発育の早さが大きく関係しています。

今回は早咲き・遅咲きについて分かりやすく解説していきます。

■早熟・晩熟ってなに?


• 早熟タイプ(早咲き):骨の成長が早く、身長・筋肉・体力も同年代より早く伸びる
• 晩熟タイプ(遅咲き):ゆっくり成長するが、時間をかけて着実に発育する

ご自身のお子さんはどちらのタイプでしょうか?

■ 早咲きタイプの特徴

ポイント    内容  

メリット    小中学生で体格差があり、パワーやスピードで勝ちやすい
デメリット   成長のピークが早いため、高校以降に伸び悩みやすい
指導の注意点  勝てるからと無理な練習をさせず、将来を見据えた土台作りを意識

🧠 “早熟=才能”ではなく“早く伸びただけ”と捉えることが大切!

■遅咲きタイプの特徴

ポイント     内容

メリット     技術・感覚・フォームをじっくり育てられ、伸びしろが大きい
デメリット    小中学生時代に勝てない、周りと比べて焦りやすい
指導の注意点  「今は我慢の時」と声をかけ、長期的な視点での育成を心がけることが重要

🌟「うちの子は才能がない、向いてない・・・」と決めつけないこと!

■早熟と「思春期早発症」は違う?

⸻一見「成長が早い子」として同じように見えても、
実は医学的に対応が必要な「思春期早発症」と、
体質的な早熟とは明確に区別されます。

● 思春期早発症とは
• 通常よりも著しく早い時期に二次性徴(乳房発達・陰毛など)が始まる
• 女の子では8歳未満、男の子では9歳未満が目安
• 成長ホルモンや性ホルモンの影響で、急激な身長増加や骨の成熟が進む

📍 放っておくと最終身長が低くなるリスクがあり、
必要に応じてホルモン治療(GnRHアゴニスト)で成長のバランスを整えることも。

少しでも気になる様子があればすぐに病院で検査を受けましょう!!

● 早熟とは?
• 医学的な異常ではなく、体質的に成長のスピードが早いだけの状態
• 身長や発育が早く進むが、病気ではない
• 運動パフォーマンスに一時的な優位性が出ることもある

💬 注意点

「成長が早い=良いこと」と思われがちですが、
思春期の“早さ”が必ずしも良い方向に働くとは限りません。

特にスポーツの現場では、
・早く結果を出す子が将来も伸びるとは限らない
・今伸びていない子が、後から一気に力をつけることも多い

という事実を知っておくことが大切です。

まとめ:今の結果だけで判断しないで!

子どもたちは皆、違うスピードで成長しています。
小学生や中学生で勝てない子も、正しい努力を積み重ねれば必ず伸びる時がきます。

「今勝てるかどうか」ではなく、
「高校・大学・その先でどんな選手になるか」を見据えた育成が、
とても大切です!!

短期的にではなく、長期的な支援を行い支えてあげましょう🌟

のびのび

陸上競技の指導に21年携わる現役指導者。理学療法士。選手時代短距離で東海大会出場。怪我に悩む子ども達を支えたい思いから、身体の仕組みを深く学び続けています。「運動の楽しさ」と「自分の可能性」に気づいてもらいたい・・・そんな願いを込めて、保護者と子どもたち双方に役立つ運動・発達情報を発信中です。

のびのびをフォローする
保護者・指導者へのメッセージ
シェアする
のびのびをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました