やる気が出ない日はどうする?スポーツと気持ちの関係

メンタル・モチベーション

~脳の“扁桃体”と運動の意外な関係とは~

はじめに:誰にでもある「やる気が出ない日」

「今日はなんだかダルい…」「練習に行くのが億劫だ」
そんな気持ちになる日は、誰にでもあります。
でも、それって“甘え”や“根性不足”ではありません。実はその背後には脳の働きが関係しているのです。

■やる気の正体は「脳のスイッチ」

「やる気」というのは、実は心の問題ではなく脳の働きです。
特に関係しているのが、「扁桃体(へんとうたい)」という脳の一部。

▶ 扁桃体とは?
• 情動(不安・恐怖・喜びなど)を感じる場所
• ストレスやネガティブな情報に敏感
• 「やる気が出ない日」には、この扁桃体が過敏になっていることが多い

つまり、やる気が出ないのは脳が“危険”や“不快”を察知してブレーキをかけている状態とも言えるのです。

■やる気が出ないときに運動をすすめる理由

「気持ちが乗らない時は、無理せず休む」も大切ですが、
実は軽い運動こそが“やる気スイッチ”を入れる近道になることもあります。

▶ 運動が扁桃体に与える影響
• 軽い運動はセロトニン(安定・安心)やドーパミン(快感・報酬)を分泌させ、扁桃体の興奮を抑える
• 有酸素運動は前頭前野(判断力や感情のコントロールを司る部分)を活性化させ、冷静な思考を取り戻す

つまり、やる気がない時こそ“ちょっと動く”ことで脳の状態がリセットされるのです。

■やる気が出ない日にオススメの行動3選

1.「まず靴を履いて外に出る」

→ 行動の最初の一歩が最もハードルが高い。
→ 靴を履く=“始めるスイッチ”を入れる行為。

2.「3分だけ走る・歩く・ストレッチする」

→ “3分だけ”と決めると始めやすく、結果的に継続できることも多い。
→ 体温・心拍が上がると自然に気分が乗ってくる。

3.「誰かと一緒に動く」

→ 仲間・友人・親との関わりは、脳の報酬系を刺激し、やる気が引き出される。

■「やる気=勝手に湧いてくるもの」ではない

多くの人が「やる気が出ないから行動できない」と思っていますが、
本当は逆です。

🔁 やる気 → 行動ではなく、
🔁 行動 → やる気が本当の順番。

やる気が出るのを待っていたら、何も始まりません。
「とりあえずやる」「ちょっと動く」ことで、扁桃体の不安を抑え、前向きな脳の回路に切り替わっていくのです。

■保護者・指導者へのメッセージ

もしお子さんが「やる気が出ない」と言っても、責めたり叱ったりするのではなく、
「少し体を動かしてみようか」「一緒に歩いてみようか」という声かけで、
子ども自身の行動スイッチを優しく押してあげてください。

■まとめ:やる気が出ない自分を責めないで

• やる気が出ないのは、あなたのせいではなく脳の自然な反応
• 扁桃体が不安・ストレスに反応してブレーキをかけているだけ
• 軽い運動やちょっとした行動で、脳のスイッチを入れ直すことができる

子どもだけではなく、大人でも「やる気のある日」、「やる気のない日」が必ずあります。

やる気のない日には、この記事を参考にしてみてください。

のびのび

陸上競技の指導に21年携わる現役指導者。理学療法士。選手時代短距離で東海大会出場。怪我に悩む子ども達を支えたい思いから、身体の仕組みを深く学び続けています。「運動の楽しさ」と「自分の可能性」に気づいてもらいたい・・・そんな願いを込めて、保護者と子どもたち双方に役立つ運動・発達情報を発信中です。

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