子どもの“体の中”はこう育つ!~年齢別に見る骨・筋・神経・関節の発達とは?~

発育・発達と身体のしくみ

はじめに:「外見だけじゃない、体の中もちゃんと育ってる?」

子どもは日々、どんどん成長しています。
身長が伸びたり、体重が増えたり、動きが力強くなったり――。

でもそれは、見えている変化の一部にすぎません。

実は、骨・筋肉・神経・関節といった「体の中」では、
年齢に応じて大きな発達の波が起こっているのです。

今回は、子どもの体がどう発育・発達していくのかを
年齢別にわかりやすくご紹介します。

年齢ごとにちがう「体の育ち方」

🍼【0〜6歳】=神経と感覚のゴールデンタイム

この時期に著しく発達するのは「神経系」です。
特に、運動神経の基盤となる神経回路(シナプス)は、6歳前後で約80〜90%が完成します。

✔️ 身体を思うように動かせるようになる
✔️ 感覚統合(バランス・触覚・空間認識など)の土台づくり

運動よりも「遊び」や「経験」が最も大切な時期です。

🦴 骨

・まだ「骨端軟骨(骨端線)」が多く、骨自体はやわらかい
・打撲や成長痛(シーバー病・ペルテス病など)に注意

💪 筋肉

・筋繊維の太さは未熟、筋トレよりも「動く体験」が重要

🧠 神経

・最も発達する時期。走る・転がる・ぶら下がるなど多様な動きが◎

🦵 関節

・靭帯がゆるく、関節が柔らかいため「正しい動きの習慣づけ」が重要

🧒【7〜12歳】=運動の習得期(ゴールデンエイジ)

この時期は、神経系が完成に近づき、筋肉や骨も追いついてくる時期。
「学び」がどんどん吸収され、技術習得にもっとも適した時期ともいわれます。

✔️ 動きの反復が身に付きやすい
✔️ 身体的な成長にばらつきが出やすい(特に10〜12歳)

🦴 骨

・骨端線はまだ存在しており、成長途中
・無理な負荷は骨端症やオスグッド病の原因に

💪 筋肉

・量よりも「動かし方」の質が大事
・瞬発力や敏捷性のトレーニングはこの時期に効果大

🧠 神経

・完成に近づき、複雑な運動のコーディネーションが可能になる

🦵 関節

・柔軟性が高いが、正しい可動域の使い方が求められる
・反復動作による痛み(シンスプリント・肘の障害など)に注意

🧑【13歳〜】=体が急に「大人の階段」をのぼる時期

第二次性徴の影響で、急激な身長増加や筋肥大が見られるようになります。
ただし、神経の発達はほぼ終わっているため、
「技術の習得」はこの時期からでは遅くなることも。

✔️ 無理な筋トレは“成長線”への悪影響に
✔️ 一方で、フィジカルトレーニングはやっと本格的に可能になる

🦴 骨

・骨端線が閉じ始め、徐々に「骨化」が進む
・成長痛が終わる一方、疲労骨折リスクは上昇

💪 筋肉

・筋肉量が急増(特に男子)
・本格的な筋トレも「正しい方法と時期」でスタート可

🧠 神経

・完成済み。技術習得より、応用力や戦術理解へ

🦵 関節

・可動域の狭まりに注意
・ストレッチや姿勢のクセの修正が必要

「骨端線」ってなに?成長期に知っておきたいポイント

「骨端線(こったんせん)」は、骨の端にある成長する部分のこと。
ここが活発に伸びることで、身長が伸びたり骨が長くなったりします。

⚠️ 骨端線が閉じると、骨の成長は終了

そのため、過度なジャンプや負荷がかかるスポーツをやりすぎると、
この部分を傷つけてしまい「成長痛」や「変形」を招くことがあります。

親としてできるサポート

🔹 時期に合った運動環境を選ぶ
→ 無理なトレーニングや過密スケジュールは避ける

🔹 子どもの身体の「声」に気づく
→ 「痛い」「だるい」「つかれた」は見逃さない

🔹 遊び・休養も発達のうち!
→ 特に幼児期は“遊びこそ学び”と意識して

おわりに

子どもは、年齢とともに内側から大きく変化しています。
体の見た目だけで判断せず、
「今、この子の体の中ではどんな変化が起きているのか?」という視点を持つと、
運動や習い事のサポートにも面白さが出てきます。

のびのび

陸上競技の指導に21年携わる現役指導者。理学療法士。選手時代短距離で東海大会出場。怪我に悩む子ども達を支えたい思いから、身体の仕組みを深く学び続けています。「運動の楽しさ」と「自分の可能性」に気づいてもらいたい・・・そんな願いを込めて、保護者と子どもたち双方に役立つ運動・発達情報を発信中です。

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